終章

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 道場の床の冷たさで、紅葉は我に返った。  紅葉は夜の闇の静寂の中にいた。  あれ? 私何してたんだろう。  紅葉は首をひねった。  祖父に免許皆伝を許されて、それから・・・・・・・  竹刀を持ったまま寝てたのかな。  なんだか、長い夢を見ていたような気がするけど。  紅葉は道場を出た。  寒い。  もう十一月なのだから、当たり前なんだけど・・・・・・  なんだかさっきまで暖かかったような気がする。  紅葉は首を傾げた。  なんだろう。  大切な事を忘れているような。  紅葉は現代に戻っていた。  だが過去に飛んだすべての記憶は失われていた。  新撰組と過ごした時間も、土方を愛した記憶も。  ・・・・・お風呂に入って寝よう。  紅葉は家に戻った。
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