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それから何となく居心地の悪さを感じながら、紅葉は日常生活を送っていた。
そんなある日。
「紅葉。お前誰かに剣を習ったのか」
祖父がふと言った。
「おじいちゃん以外に習ったことなんてないけど」
紅葉は竹刀を突き出した後、答える。
「・・・・・その技、わしは教えたことなぞないぞ」
「え?」
紅葉は竹刀をおろした。
「それは無明剣ではないか」
「無明剣?」
紅葉は首を傾げる。
「沖田総司の技だ」
「沖田総司? ああ、おじいちゃんの好きな新撰組ね」
紅葉は答えつつも、なぜか沖田という名前に胸がきゅっとなった。
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