終章

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「あんた、ここのひとか」  少年は無愛想に言った。  その格好といい、態度といい、確かに荒れてそうだ。 「あのね。年上に向ってその口の利き方はないでしょ」  紅葉はため息まじりに言う。 「年上? 嘘だろ」  少年は嘲笑うように言った。  確かに紅葉は高校生にだって間違われる。  それは慣れているけど、なんだか腹が立つ。 「本当よ。私はこう見えても二十二なんだからね」 「ええっ?!」  予想より年上だったらしい。  驚いたように紅葉を見ている。 「私は紅葉。この道場の娘よ。あなたは?」 「隼人」  少年が無愛想に言う。
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