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その瞬間、刻が急速に進む。
互いの記憶は現代へと戻り、再び過去の記憶が消えてゆく。
紅葉が我に返ると、隼人の顔が目の前にあった。
「きゃっ!」
紅葉は慌てて隼人から離れる。
「何だ?」
隼人も慌てて紅葉から離れる。
「俺は何もしてねえよ」
「本当に?」
紅葉は疑いの目で隼人を見た。
「俺はそんなに女には困ってねえよ」
隼人はふんっと笑う。
なんか腹立つ。
「あなたをしばらくここで鍛え直すって言ってたけど、よーく鍛え直してもらった方が良さそうね」
「ああ? そんなん知るか。俺は喧嘩に負けたことは一度もねえ。ここの連中もすぐに俺に逆らえなくなるさ」
隼人は自信たっぷりに言った。
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