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「内藤さんに剣術は教えてもらってたの?」
「そんなのやったことねえよ」
「何だ。じゃあ勝負にならないわね」
紅葉は大きく息をついた。
いくら喧嘩が強いからと言っても、剣術はそれとはまるで次元が違う。
「はあ?」
「素人は相手に出来ないって言ったの。師範代である私が相手してあげようと思ったんだけど」
紅葉は挑発するように言った。
「ただ竹刀振り回すだけだろ? そんなの誰にも出来るぜ」
案の定、隼人は挑発に乗ってくる。
「ふうん。じゃあ勝負してみる?」
紅葉はにやりと笑った。
「いいぜ。もし俺が負けたら、その時は何でも言うこときいてやるよ」
隼人は自信たっぷりに笑った。
まるで自分が負けることなんてないと思っているようだ。
ふふん。甘いわね。
紅葉はほくそ笑む。
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