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中学3年の冬…。
父親に話があると言われた俺は、学校が終わると父親に連れられ、あるファミレスに足を運ばせた。
「なぁ、急に大事な話って何?」
先を歩く父親の慎吾に不思議そうに尋ねる。
「ん?
まぁ、直に分かるからもうちょい待て」
慎吾は、辺りを見渡しながら話を軽く流すだけだった。
〔ったく…
何なんだよ…〕
不機嫌に眉間にシワを寄せ、ため息を吐く。
「あっ、いたいた…
おーい、美鈴!!」
いきなり大きな声を出し、慎吾は手を振り始めた。
「!!
父さん、恥ずかしいって」
慌てて父親の肩を掴む。
「のえる…」
「へっ…?」
父親の隣に並ぶと綺麗な女性が、涙ぐんでこちらを見ていた。
名前を呼ばれ、戸惑う。
〔この人、誰だ?
何で、俺の名前…〕
そんな風に戸惑っていると、
「お母さん?
誰?」
女性の向かい側に座っていた、俺と同じくらいの女の子が不思議そうに女性に話しかけた。
〔これってもしかして再婚ってやつ?〕
目の前の2人を見て、俺の頭には、これしか過らなかった。
「まぁまぁ、立ち話は何だから座ろう…」
呆然とする俺の体を父親が誘導し、女の子が座っている席の隣に座らせられた。
隣を見ると、綺麗な顔立ちでショート髪の女の子、初めて見る顔なのに何故か親しみがわく。
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