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「のぞみも大きくなったなぁ…」
父親は、女性の隣に座り、女の子をマジマジと見つめ、俺達を交互に見合せ始めた。
「うん…、やっぱりそっくりだ…
さすが一卵性の双子だな」
しみじみ話す父親に耳を疑う。
「は?」
意味が分からず、聞き返す。
「うん、だからな、お前達、兄妹なんだよ
んで、俺がお前達の父親で、こいつはのえる、お前の母さんにもなる美乃里だよ」
父親は、悪みもなくニッコリ微笑んでいる。
「「………はぁーー?」」
“ガタンッ”
やっと父親が言ってることを理解し、俺は、驚きのあまりファミレスに居るということも忘れ、大声で驚いた。
隣を見ると、女の子も俺同様、驚いた様子で俺を見ている。
〔ちょっ…ちょっと待てよ…
片親、一人っ子で育ってきたのに、いきなり母親って…兄妹って…〕
頭が混乱する。
それ同様、苛立ちが込み上げてきた。
「まぁ驚くのも無理ないか…
お前達が産まれてすぐ離れ離れにさせちまったからな…
まぁ、とりあえず座りなさい」
父親は、苦笑気味に話を続けている。
女の子は、戸惑いながら席に座りなおした。
「のえる…座りなさい…」
“ビクッ”
俺は、父親の言葉でやっと動くことが出来た。
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