再会

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腰を下ろし、2人を見合せる。 お母さんという人に双子という人。 それから、少し父親が何か話をしていたが、俺の頭には何も入ってこなかった。 ―*―*― 「―――あのさ、ここ俺の部屋なんだけど…」 俺は、双子の兄妹という“のぞみ”に眉間にシワを寄せ話し掛けた。 「同じ部屋使えって言われたから仕方ないじゃん… 知らなかったとはいえ、兄妹をそんな嫌そうな顔で見ないでよ」 布団を敷きながら、呆れた顔で“のぞみ”が近付いてくる。 「やっぱり、うちら似てるのかな?」 俺の顔を覗き込みながら、自分の顔を触っている。 「双子って言われて納得してんの?」 全く動じない“のぞみ”に不信感を抱く。 「納得するしないより、家族が揃った事が嬉しい ずっと寂しかったから…」 のぞみは、俺から視線を逸らし、苦笑気味に笑う。 「一緒だな…」 気付くと俺は、そんな事を口出してた。 のぞみは、俺に視線を戻し、躊躇いもなく微笑む。 俺達は、些細な話をしながら、いつの間にか眠りについていた。 ―――この時、俺は本当に同じ境遇で育ったんだと思った…。 だけど、“のぞみ”の言った“寂しかったから”は俺の想像を遥かに越えていて、俺は、勝手に全て分かった素振りを見せていた。 本当は、何も分かってなんかいなかったのに…。
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