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とりあえずこの場にいても状況が悪化するだけなので、 俺は、前を隠したまま部屋を出ていった。
「―――つっ…疲れる…」
トイレに駆け込み、座り込む。
「―――頼むから自重しろよー…」
“のぞみ”の体を見て反応した自分に頭を抱えて嘆いた。
―*―*―
「―――行ってきまぁす!!」
10分ぐらいし、トイレから出ると玄関には、制服に着替えた“のえる”の姿があった。
「―――はやっ…
何、もう行くの?」
驚く俺に、何故か“のえる”は戸惑った様子を見せる。
「………そんな顔しなくても、もう反応しねぇよ」
のぞみの思考が読み取れた俺は苦笑する。
「っ!!
誰もそんな事聞いてないもん…」
“のぞみ”は、顔を赤くし、俯いた。
結構、慣れた感じで俺に話し掛けてきていたので、男慣れしているのかと思ったが、違うようだ。
「とりあえず話題変えようか…
今から学校って早すぎね?
飯とかは食べたの?」
俺の質問に、のぞみは複雑そうな表情を窺わせる。
「朝ご飯は、おにぎり作ってもらった…
バスで1時間半かかるから、もう行かないと間に合わないんだ…」
ラップに包んであるおにぎりを2つ俺に見せ、複雑そうな顔から満面の笑みを見せた。
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