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柚「舞先輩、ちょっといいですか?」
舞「ふふふっ。…あら、柚李ちゃん。どうしたの?」
2人の様子を笑いつつ、柚李の言葉を待った。
柚「あの、どうして生徒会長が3年じゃなくて2年の森先輩なんですか?」
舞「…ああ、それはね?生徒会役員を決める方法が人気投票だからよ。」
可笑しそうに笑う。
柚「にん、き…投票…?何ですか、それ…。」
首を傾げて聞き返すと、後ろから声が降ってきた。
「私が話しましょう。」
聞こえた声に2人がふと振り向くと、そこには紅茶を持った雪が微笑んでいた。
雪は紅茶を柚李の前に置き、「どうぞ。」と言うと舞の隣に腰を降ろした。
柚「ありがとうございます。」
雪が淹れてくれた紅茶に口をつける。暖かく甘さが口に広がった。思わず頬を緩ませる。
柚「おいしい…。」
雪「それは良かったです。」
にこりと笑うと人気投票について話し始めた。
雪「人気投票についてですが、人気投票とは生徒が各役職に生徒を推薦し、推薦された生徒に全校生徒が各役職一名にそれぞれ投票すること。そして、投票数が一番多かった人がその役職に就く。それが人気投票です。」
柚「なるほど。そんな風に決めるんですね。……ん?ということは、先輩達も人気投票で選ばれたんですか?」
雪・舞「「ええ。」」
でも、と言葉を付け足す雪。
雪「今期生徒会役員は、森以外ほぼ強制的でしたから。」
苦笑する雪。
舞「そうね。私達、ちゃんと投票されてないもんね。だって……。」
そういって拓也と揉めている森を見る。
舞「あの子が私達6人を推薦して、"全校生徒を脅して投票させた"んだから…。」
雪に「ね?」と首を傾げる。
雪「ええ…。森が全校生徒に"俺様が推薦したこいつらに投票しない訳ないよな?"って睨みつけてましたから…。あれは投票しない訳にいかないでしょうね。」
また苦笑する雪。
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