3/20
前へ
/323ページ
次へ
柚「舞先輩、ちょっといいですか?」 舞「ふふふっ。…あら、柚李ちゃん。どうしたの?」 2人の様子を笑いつつ、柚李の言葉を待った。 柚「あの、どうして生徒会長が3年じゃなくて2年の森先輩なんですか?」 舞「…ああ、それはね?生徒会役員を決める方法が人気投票だからよ。」 可笑しそうに笑う。 柚「にん、き…投票…?何ですか、それ…。」 首を傾げて聞き返すと、後ろから声が降ってきた。 「私が話しましょう。」 聞こえた声に2人がふと振り向くと、そこには紅茶を持った雪が微笑んでいた。 雪は紅茶を柚李の前に置き、「どうぞ。」と言うと舞の隣に腰を降ろした。 柚「ありがとうございます。」 雪が淹れてくれた紅茶に口をつける。暖かく甘さが口に広がった。思わず頬を緩ませる。 柚「おいしい…。」 雪「それは良かったです。」 にこりと笑うと人気投票について話し始めた。 雪「人気投票についてですが、人気投票とは生徒が各役職に生徒を推薦し、推薦された生徒に全校生徒が各役職一名にそれぞれ投票すること。そして、投票数が一番多かった人がその役職に就く。それが人気投票です。」 柚「なるほど。そんな風に決めるんですね。……ん?ということは、先輩達も人気投票で選ばれたんですか?」 雪・舞「「ええ。」」 でも、と言葉を付け足す雪。 雪「今期生徒会役員は、森以外ほぼ強制的でしたから。」 苦笑する雪。 舞「そうね。私達、ちゃんと投票されてないもんね。だって……。」 そういって拓也と揉めている森を見る。 舞「あの子が私達6人を推薦して、"全校生徒を脅して投票させた"んだから…。」 雪に「ね?」と首を傾げる。 雪「ええ…。森が全校生徒に"俺様が推薦したこいつらに投票しない訳ないよな?"って睨みつけてましたから…。あれは投票しない訳にいかないでしょうね。」 また苦笑する雪。
/323ページ

最初のコメントを投稿しよう!

976人が本棚に入れています
本棚に追加