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ドキッ
そんな優しい笑顔なんて反則だよ…。
柚「…じゃあ…"First Love"…で……。」
小さな声でボソッと呟いた。
波「……そう…。良い名前……。ありがとう、柚李ちゃん。」
そう言うと、そこからは一言も話さず、約5分程の演奏を終えた。演奏の間、誰も口を開かなかった。
波「…ふぅ……。初めてちゃんとしたこの曲を弾けたわ。柚李ちゃんのおかげよ……って、えぇ!?どうしたの、柚李ちゃん!?なんで泣いて…!」
波音は鍵盤をしまいながらお礼を言い、椅子から立ち上がって柚李を見ると泣いていた…。
柚「ヒックッ…フッ…グスッ…。波音先輩のピアノに…感動しちゃって……う…うわぁぁんっ!」
鼻声で説明し終わると大声で泣き出した柚李。
波「…そっか。ありがとね、柚李ちゃん。」
そう言うとそっと柚李を抱き締めた。すると拓也が泣き真似をして波音に抱き着こうとすると、思い切り殴られた。
拓「えーん。波音ー……ゲフッ!」
その場にしゃがみこむ拓也。
波「あんたは来なくていい!」
拓也を足蹴にする波音。その様子が面白くて思わず笑ってしまった。
柚「…クスッ…。」
すると波音と引き離されて、一瞬で森の胸が目の前にあった。
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