976人が本棚に入れています
本棚に追加
―森SIDE―
バタンッ
柚李が生徒会室を出てからさっさと食器を洗い、自分の部屋に戻る俺。
…あ。タオル渡すの忘れてたな。
あいつ、着替え持って風呂場にいったか?一応、タオル渡すついでに着替えも持っていくか。
さっき届いた柚李の荷物からテキトーに服を選んでタオルと共に洗面所に置いておく。
するとその時、風呂場で体を洗う柚李のシルエットが目に入った。…どうやら柚李は気付いてないらしい。
このまま俺も入って…いや、それはいかんな。出会って1日も経ってないのに、いきなり一緒に風呂はさすがにまずいか……。
やれやれと洗面所を出て部屋に戻る。
…俺は、女に惚れ込むタイプじゃなかったんだがな…。今まで女なんて煩くてしつこくて面倒だと思ってた。
だが、柚李は違う。あいつが笑うと俺まで嬉しくなるし、あいつが泣いたら俺まで悲しくなる…。
キスしただけで赤くなる純粋な柚李が可愛くて仕方ない…。
ふぅっと溜め息をつき、椅子に座る。
…生徒会の仕事が残ってたの忘れてたな…。
時計を見ると既に夜2時をきっていた。
…今からやると、間違いなく徹夜だな…。
更に深い溜め息をつき、ペンを持ちながら書類に目を通し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!