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恐る恐る近寄ってみる。
古典風に言ってみるとあやしがりてよりてみるに。
何故古典風に言ってみたのかは作者にもよくわからない。
「あれは……愛場先輩?」
白いベンチに横になり昼寝しているその人は、不良一匹狼として有名な愛場水月(アイバミヅキ)先輩だった。
ワイルドな雰囲気。
着崩した制服。
ブリーチで傷んだ髪。
どこかのチームのトップだとかいう噂もあるほどだ……って今はそんな話どうでもいい。
何でこんな所に……。
というか「不良は屋上」という王道設定はどうした。
ガッカリだぞ、マジで。
いや、でもこれはチャンスだ。
愛場先輩は人気も高いし勿論親衛隊もある。(愛場先輩は嫌がってたけど)
しかも寝顔!
これは好機!
撮れ、撮るんだ霙!
これで僕も明日から億万長者だグヘへへ!(※妄想が暴走しております)
カシャ!
そしてカメラを構え、勢いで数枚撮った時だった。
「あ」
……カメラ越しに、先輩と目があった。
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