インターフォンの怪

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問題は何度貼っても ラップ音ともつかない 振動音が響き渡り お札が剥がれ落ちる事だ これには、家族で 何度顔を見合わせた事か……。 驚いた事に、 貼る、剥がれる、落ちる この一連の動作は 一週間にも及ぶ長期戦に なったのだ。 その間にも、 自分にしか聞こえない 呼び出しメロディに 悩まされ… 不眠症に近い常態に。 しかも、呼び出し音に 何の気まぐれか 一度だけ…一度だけだが 玄関のドアを開けて しまった事がある。    『ガチャ』 冷たい強風が吹いていた … 玄関を開けて直ぐに 枝垂れ桜の樹木がある そこに……… ………… …人が立っていた そして、 口が裂けそうなくらいに 開いていて、 吸い込まれそうな 程だった…。 笑っていると 気が付くのに、 どれ程の時間を有したの だろうか? 恐らく、一分とて 時間は経過していない 筈だというのに 相当時間が経過した様に 思える… ふと、 我にかえり 直ぐさま、ドアを閉める …が。 完全に閉まる筈のドアが  閉 ま ら な い 見ると、 青白い女性の手が しっかりとドアを 握り締め、離さない こんな事をされたのは 初めての事だ。 ガシガシとドアを 引っ張り合い、 何とか、ドアを 締め切る事が出来たと 思ったのはつかの間。 今度は、激しくドアを 叩き始めたのだ
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