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あれから数年間は惨めにも彼を忘れる事が出来ずに、私の胸には刺が刺さったまま抜けることがない。
そんな、ある日、私は街で当時、彼と仲良しだった人に偶然会った。
そして…彼の口から、とんでもない事を聞かされた。
「!!!」
耳を疑った。
あまりに衝撃的で私は立ちくらみを起こし、その場座り込んでしまった。
彼は死んだのだ…高校を卒業すると同時に抗がん剤の治療の為、母親の実家に引越したが癌が色んな場所に転移していた為、手の施しようが無かったと言う。
彼は言った。
「あいつがさ…死ぬ一ヶ月位、前に会いに行ったんだ」
彼は静かに続けた。
「あいつは、ずっと…あんたの写真を大事そうに持ってた…多分、あんたに言った言葉は全て、あいつなりの精一杯の優しさで本当は好きだから…悲しませたくないから…だから…わざと嫌われたくて酷い事、言ったんだ…」
彼は泣いていた。
私も泣いた。
一目も気にせず私達は大切な人を亡くした者同士、慰めあうように泣き続けた。
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