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「ゆぅぅぅぅうじぃぃぃぃいっ!!!!」
それだけで相手を殺せそうなほどの雄叫びをあげながら、バンッ、と居間の扉を思いきり叩き開けた。
さっさとあいつを仕留めないと...と、何か方向性が違ってきたが細かい事は気にしない。
やつを仕留めるために俺は辺りを見回した。
「貴様だけは俺がぶん殴って.....って、あれ?」
だが、居間のどこを探しても裕二はどこにもいなかった。
電気もついてるし、おまけにテレビまでついたままで、ちょうど9時から始まるドラマのオープニングが流れていた。
「まさか裕二のやつ、俺の騒ぎを聞きつけて先に隠れやがったか...?」
本当は何も悪くない裕二を仕留めようと、他の部屋を探しに行こうとすると、ふと机の上に置いてある紙切れに気付いた。
「ん?置き手紙...?」
『すまん一星、待ちくたびれたんで先に帰るわ。鍵をかけれないからそのまま行くけど、まぁ居間を賑やかにしときゃ泥棒も来ないだろう。
んじゃま、残りの宿題頑張れよっ!
...続いてこれを読んでる泥棒さんへ。こいつの家には本当に何もありませんので、来るだけ時間の無駄であって――』
「.......」
あいつ、とりあえず次会ったらただじゃおかねぇ。
なんだかわからないが、そんな俺の本能が脳みそに決定事項を刻み込んでいた。
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