血濡れの月

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俺たちは今、学校で出された宿題に奮戦中(俺だけ?)だ。 なにせ俺が高校三年生にもなって中学並みの勉強もできないものだから、たまに宿題が出る度にこうして裕二に教えてもらってるわけである。 「知ってるか一星。女ってのは男のギャップに弱いらしいぞ?という事はだな、見掛けによらず何でもそつなくこなしてしまう俺なんかは――」 「あーストップ。それ、もう何回も聞き飽きたから」 それで、このやたらと自分に慢心してるのが萩野裕二、俺の幼馴染みである。 長年俺とつるんでる割には何でもできるし、噂によれば結構モテモテだったりするらしい。人当たりも悪くないし、俺にとってはいざという時頼りになる存在だ。 「ま、未だ彼女の一人もできないんじゃ話になんねーけどなー」 「てめぇ、一星も人の事言える立場じゃないだろ!?」 「はいはーい、私は彼女ができないのじゃなくて、作らないだけですぅー。平面娘しかうけつけましぇーん」 「馬鹿だ!お前本物の馬鹿だ!」 なんて話をしながら、俺は鞄の中に手を入れた。
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