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「ん...?」
「どうした?まさか『俺の鞄の中は二次元に繋がっているんだぜ!』とか言い出さないよな...?」
裕二が少し真顔で尋ねてくる。
「もしそうなら既に俺はここにいないけどなー。いや、国語のプリントだけ学校に忘れてたみたいだわ。ちょっと取ってくる」
「はぁ!?今何時だと思ってるんだよ!明日の朝学校に着いてからパァーっとやればいいじゃん!」
「まぁ俺もお前ぐらいの頭があればそうしたいけどな。生憎、俺ぁ本物の馬鹿なもんで」
皮肉気に言うと、裕二は「ぐっ...」なんて声を詰まらせた。
「ま、まぁ人に頼らず自分で頑張ろうと思うあたり、お前はたしかに馬鹿だが性根までは腐っていない馬鹿らしい。」
「そりゃ宿題だから、自分でやんねーと身につかないだろう?俺、同じミスはしたくねーし」
「そんなに勉強しても得はないと思うがねぇ~...」
裕二が溜め息混じりに言う。
「...ちなみに裕二、お前勉強をなんだと思ってる?」
「ん、モテ要素だろ?」
「.....」
真剣に言葉に詰まった。
まさか『モテたい』だけでここまでいろいろ万能超人になれるとは...呆れた。
「今お前俺を馬鹿にしたろ!?....まぁいいや。まぁ行ってこいっ!」
「悪いな、適当にくつろいでてくれ。すぐ戻るからさ」
そして俺は、家を裕二にまかせて玄関を出た。
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