血濡れの月

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俺の通う高校は、家から歩いて20分くらいのところにある。 別段成績が良いとか、どこかの部活がとても強いとかそういうのはなく、ただ通うだけの学校って感じ。 入学希望の理由も大抵は『家から近いから』や『私ってば馬鹿だからここしか入試受けられなかったの、てへっ』というのが主。 ....まぁ俺はどっちもだったわけなんだが。 クラスは4クラス程度で、大体のやつは顔を覚えている。学校のレベルが低過ぎて、どうも入学希望者が思うように増えないらしい。 そういうのを見越した校長が、少しでも進展があればと校舎を改装したのが去年の話。 結果は無惨にも変わらずじまい、結局は目立たない普通の学校として存在している。 と、ぼーっと歩いてるうちに校門に着いていた。 校舎に明かりはない。 「おいおい、もう教師はいないのかよ...どうも呑気なこったね。しゃーね、なんとかして入るか...」 仕方なく門をよじ登って入る事にした。 「まさかこれって不法侵入...にならない、よな...?」 恐る恐る門を越え、校舎に向かって歩いていく。 「くそ、門が開いてないって事は教室も開いてないって事じゃないか!教師もいないみたいだから教室の鍵も無いし、結局俺は何をしにここまで――」 そして、俺は遂に地面に横たわるそれを見つけてしまった。
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