147人が本棚に入れています
本棚に追加
毎日、あんなに近くにいたのは初めてだった。
普通に話しかけられたりするし、柔軟の時に触られたりするし。
毎日、すごく苦しくて、なるべく関わらないようにしていた。
でも人数が増えたことで、男子新体操部は着実に潤っていって、強豪・帝都大学の合宿に参加出来るまでになった。
俺はもちろん、行きたくなかった。
二泊も、狭い部屋で雑魚寝する中にあいつがいるなんて考えたら、どうなるか分からなかったし、
それに。
こんなことになると思わなかったから。
こんなことになるなら、悠太を怒らせてでも行かないと言い張れば良かった。
こんなことになるなら、合宿に行く前のカモメの時点でみんなから見放されてれば良かった。
長かったようで、充実した時間は短かった俺の新体操部生活。
本当に、楽しかったなあ。
「水沢あああっ!!!」
…え?
.
最初のコメントを投稿しよう!