147人が本棚に入れています
本棚に追加
仮入部の期間が始まった。
どうせ今年も新入部員なんかいないだろうと思っていたが、悠太の中学の後輩だという土屋が入って来た。
「土屋聡史です!よろしくお願いします!」
女子と間違えるほど声の高い、素直な良い子だ。
ある日、いつものように校庭の隅で柔軟をしていた。
いつものようにぐだぐだ喋りながら、いつものように柔軟をしていた。
でも、いつもと違うことが起こった。
この日から、俺達弱小新体操部と、俺の運命が大きく変わっていったんだ。
単位やら補修がどうのこうのと言って、赤髪が担任に連れられやって来た。
その後ろには、さっきの金髪と、見たことのない黒髪リーゼント。
「本当にすみません…」
驚きを隠せない俺達に、担任がぺこぺこ頭を下げる。
ああもう、最悪だ。
この頃の俺が思ってたことは、本当にそればっかりだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!