回想、回想、今。

10/13
前へ
/45ページ
次へ
仮入部の期間が始まった。 どうせ今年も新入部員なんかいないだろうと思っていたが、悠太の中学の後輩だという土屋が入って来た。 「土屋聡史です!よろしくお願いします!」 女子と間違えるほど声の高い、素直な良い子だ。 ある日、いつものように校庭の隅で柔軟をしていた。 いつものようにぐだぐだ喋りながら、いつものように柔軟をしていた。 でも、いつもと違うことが起こった。 この日から、俺達弱小新体操部と、俺の運命が大きく変わっていったんだ。 単位やら補修がどうのこうのと言って、赤髪が担任に連れられやって来た。 その後ろには、さっきの金髪と、見たことのない黒髪リーゼント。 「本当にすみません…」 驚きを隠せない俺達に、担任がぺこぺこ頭を下げる。 ああもう、最悪だ。 この頃の俺が思ってたことは、本当にそればっかりだった。 .
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

147人が本棚に入れています
本棚に追加