回想、回想、今。

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駅に向かうバスに揺られながら、ぼーっと思い出に耽ってた俺を呼ぶ声。 振り向くと、物凄い顔でバスを追いかけてくる、航。 何であんな一生懸命になってくれてるんだろう。 俺みたいな気持ち悪い奴に。 何て言ってるんだろう。 エンジンがうるさくてよく聞こえない。 航はどんな顔してるんだろう。 何でだろ、さっきまではっきり見えてたのに。 怒ってるかな。 困ってるかな。 呆れてるかな。 何でだろ、さっきまではっきり見えてたのに。 あれ? ………俺、 泣いてんだ。 左手が、勝手に停車ボタンを押していた。 バスから降りると、駆け寄ってくるみんな。 怒って、ないかな? 「…俺、新体操続けたい…!」 情けない顔してんだろうな。 本当、情けない。 「最初からそう言えよ」 本当、良い奴らだ。 .
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