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不良がいないといいなあ。
そんな事を願いつつ、高校生活1年目のクラスに向かっていた。
今でもはっきり覚えてる。
2階から3階に続く西階段を登ってたら、
「おい」
振り向くと、
不良。
…何だよそのちりちりヘアー。
明らかに顔を歪めてしまったかもしれない。
「…なに?」
初日から不良に絡まれるなんて、最悪だ。
「落ちたぞ。これ、お前のだろ?」
そいつが差し出してたのは、俺のカバンに付いてたキーホルダーだった。
「あ、…ありがとう」
悪い方にしか想像してなかったから、びっくりして、ドキドキした。
その不良は顔こそ仏頂面だったけど、なんとなく、俺がずっと嫌ってるような奴らとは違う気がした。
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