回想、回想、今。

3/13
前へ
/45ページ
次へ
不良がいないといいなあ。 そんな事を願いつつ、高校生活1年目のクラスに向かっていた。 今でもはっきり覚えてる。 2階から3階に続く西階段を登ってたら、 「おい」 振り向くと、 不良。 …何だよそのちりちりヘアー。 明らかに顔を歪めてしまったかもしれない。 「…なに?」 初日から不良に絡まれるなんて、最悪だ。 「落ちたぞ。これ、お前のだろ?」 そいつが差し出してたのは、俺のカバンに付いてたキーホルダーだった。 「あ、…ありがとう」 悪い方にしか想像してなかったから、びっくりして、ドキドキした。 その不良は顔こそ仏頂面だったけど、なんとなく、俺がずっと嫌ってるような奴らとは違う気がした。 .
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

147人が本棚に入れています
本棚に追加