回想、回想、今。

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知ったのはだいぶ後だったけど、そいつが木山だった。 で、一年の夏くらいだったかな。 恐ろしい事に気付いてしまった。 2クラス合同でやる体育の授業は、隣のクラスの木山を唯一目にする時間だった。 すごく暑い日で、みんな汗だくで走り幅跳びをしていた。 列に並びながら、今跳んでるのは誰だろうと、ふと、先頭を見た。 木山だった。 いつもの暑苦しい真っ黒な学ランとは真逆の、真っ白い体操着の袖を捲り上げて、 がっしりした腕を大きく振って、 後ろから助走をつけて、 跳んだ。 足にかかった砂を鬱陶しそうに払いながら、こっちに歩いてくる。 何故か目が離せなくて、ずっと見てたからか、 意思の強そうな木山の目が、俺を見た。 心臓が高鳴って、 俺は気付いてしまった。 .
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