プロローグ

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夜更けだというのに館で大きな爆発が起こる。 幸いここは街から少し離れた所にあるので一般人が被害にあうことはないが館内にいた人間は違う。 結構な大きさの館で大人数の人間がいたが生存者は今は一人だけ。 『うぅっ!』 白髪混じりの黒いローブをはおった壮年の男が出血をした頭を手で押さえながら唸っていると暗闇から近付きながら襲撃者が声をかけてきた。 『勇者と一緒に魔王様を倒した魔術士っていうから楽しみにしてたんだけどあんまりたいしたことないのね? それともやっぱり歳には敵わないという事かしら?』 襲撃者の女は心底楽しそうに言う。 黙って睨み続ける壮年の男の前に出て来た女は黒いドレスのような物を身に纏い綺麗なロングのブロンドの髪をなびかせ思わずみとれてしまうような妖艶めいていた。 更にその黒いドレスの背中からは黒いコウモリのような羽が出ていてお尻からも矢印のような尻尾がくねっているではないか⁉ 『淫魔がなんの用だ?』 男が尋ねると 『貴方の力を頂きにきたのよ』 と舌舐めずりをしながら答えた。
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