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「“れでぃー”に手をあげるのは感心しませんよ?……まぁ、少し落ち着いて下さい。別に一生帰さないって訳じゃありませんよ。やることををやっていただければ……」
「なんで、そのやる事ってのに、俺が付き合わなきゃならねぇんだよ!!」
もはや、怒りを隠そうともしない龍治の反応に、少女は溜め息を付き、宥めるようなジェスチャーをする。
それが、余計に龍治の神経を逆なでしたが、キレてばかりでは話が進まないと彼自身も気が付き、そこは、グッと堪える。
「よぉーし、分かった…俺も大人になろう。それで、俺は一体何をすれば、ここから出られるんだ?」
龍治が聞くと、少女は、その質問を待ってましたとばかりに、表情を緩ませ、口を開く。
「執筆……ですよ」
「…………………はぁ?し…執筆……?」
予想外の返答に、思わず素っ頓狂な声を出してしまう龍治。
しかし、彼の反応など全くお構いなしに、少女は流暢に語り出す。
まるで、ぜんまいを巻かれたオモチャのように。
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