104人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あの、大丈夫ですか?」
「あぁ?…そうだな、体力的被害と金銭的被害以外は特に大事はないな」
ぐったりとテーブルに突っ伏す俺
「………」
申し訳なさそうにうつむき、テーブルを見つめる女
「…あんた、いったい何もんなんだ?なぜ、国立騎士団なんかに追われてたんだ?」
いきなり突っ込み過ぎたか?と思ったが、騎士団の皆様に死刑宣告をいただいている俺はすでに十分こいつに巻き込まれている
(だったら相手のことを気にしてる余裕はねぇな。事情を聞き出さないと、俺が危うい。訳もわからん内に死んでたまるか)
「……わかりました。偶然とはいえ、貴方を巻き込んでしまったことにはちがいありません。お話しいたします」
そう考えていると、女が意を決したように顔を上げた
「…で?どういう事情で騎士団はお前を追ってたんだ?」
「それは……」
女は僅かに躊躇いを見せたが、やがて己の正体を告げる
「……それは私が、この国の王女だからです」
「そうか、王女だからか。そりゃあ仕方ない。………は?……王……女…?」
最初のコメントを投稿しよう!