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---にしてもあんだありゃ?
デカさは-ざっと5メートルくらい?刃物の様な爪っつうより、刃物そのものだな。鱗は岩のが犇めきあうように腕を覆い、鋭い犬歯が二本口に収まらず突き出ている。
---そして、それらは全て赤黒く染まっていた。
(チッ、藪蛇だったか…?)
「カキンバ、随分遅かったね」
(!!……誰だ?)
雪で覆われた瓦礫から、コートに身を包んだ人物が現れる。
「ああ、雪での移動は苦手なものでな。……それより、何故魔法を使える人間がいる?夫婦共々引き裂いてやったはずだが?」
「そうだね。ここまでのフィールド系の魔法を使えるとしたら……子供でもいたのかな?」
「だとすれば、邪魔にならないように消しておくか?」
「だね。どうせ全員殺すし、探せばいるでしょう」
……いやはや、驚いたな。まさか人語を解すモンスターがいるとはな…………。………ああ、解ってる。こりゃあ現実逃避だ。聴かなかった事にしているだけさ。
……つまり、家族を愛し、人々の平穏を守ってきた誇り高い漢や、敬虔な妻として夫や息子、そればかりか他人をも慈しむ事の出来る女を、いつものように今日を語らい明日を過ごして行くはずだった人々を---
「ちょっと、血がつくんで近づいてこないでくださいよ」
---愚弄しくさったのは、あのゴミ共ってことでいいんだな?
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