旅する者

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「くっ……!」 「やめとけって、無理に動くと鎧の重さで逆に関節がはずれるぞ」 それでもなお戒めを解こうと動く騎士に対し、俺は別の方面から騎士を説き伏せることにした 「……こいつ、王女なんだってな」 「!」 ピタッ、と騎士の動きが止まる 「その反応を見る限り、こいつが王女だってのは本当らしいな」 「………」 (この黙り方は黒だな。ふむ、ならここで一気に畳み込んだ方が、話の邪魔にならんな) 俺は騎士の目の前に座り、耳元で小声で告げる 「…今から王女が、なぜこんなことをしでかしたか、それを語ってくれるらしいぞ?」 「………」 騎士は僅かにこちらに顔を上げた (兜越しだと表情は読めんが、こいつも興味を引く話題だったらしいな…) 聞きたかったら黙っておとなしくしてろ、と言うと騎士は怒気を発しつつも、暴れることはやめる 騎士の態度を確認した俺は、椅子に座り続きを促す 「すまんな、続けてくれ」 王女が頷く 「あの…、その前に1つお尋ねしてもよろしいですか?」 「は?」
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