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「はぁ~。やっぱ何度来ても首都の祭りはスゲーな」
派手なパレードの様子を店の窓越しに眺めながら、大剣を背負った男がつぶやいた
「旅人さんは祭典を目当てに首都に来たのかぃ?」 ひげを蓄えた老人がカウンター越しに聞いてきた
「……まぁ、仕事のついでにな。ほれ、依頼の品だ。」
男が横にあった袋を台の上に乗せる。
「…サーベルスネイクの皮に、ドロドロガエルの秘油、オオウシの特大タン…、うむ全部あるのぉ。約束の報酬じゃ、確認はちゃんとすんじゃよ?」
ドスン!と、男の前に手のひらサイズより少し大きいキンチャク袋がカウンターの台に置かれる。
「…ひぃ、ふぅ、みぃ。おい、オヤジ!2クルト足りねぇじゃねえか!」
「がめつい奴じゃのぉ。2クルトじゃあ、酒も飲めんというのに。」
「いいから出せ!それと!2クルトなめんな!これがあるのと、ないのとでは俺の生活水準に大きく影響するんだよ!」
バンバンと、台を叩きながら男が言う
「わかったわかった。」 そう言いながら老人は、小さな硬貨を二枚男に渡す 「じゃあな。」
男はそれを受け取ると、ササッ!と、袋に入れて店の階段を降りていった。
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