104人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
ガバッ、と俺達三人を両腕目一杯広げて抱きしめるヒルダさん。
(うぉ!?こ、るぇ、は、!??!)
そして俺はそのふくよかな谷間に、頭をうずめるように抱れていた。
「………………………niceoppai(ボソッ)」
「エスペランドもおいでぇ?」
「………はい」
あ、クソ。エスペランドの入った所為でniceoppaiから遠ざかっちまった。
「よーしぃよーしぃ」
ヒルダさんは今度は俺達の頭を撫で始めた。……………やべぇ何この包容力、泣きそう。
かと言って抵抗する事もできず、俺達はしばらくされるがままになる。
(よくもまあ他人を気遣う余裕があるな~、この女は。ヘンリーが惚れ込むのも違いねぇや)
スレイや王女の顔に、うっすら涙が滲んでいた。エスペランドに至っては声を押し殺し泣いている。
(母は強しってか?……いやはや、この俺ですら危うくセンチメンタルになる所だったぜ)
茜色輝く光を背に、俺達を静かにあやすこの女は今どんな風に視えているだろうか?
少なくても俺には、とてつもなくイイ女に視えると思うがね………。
最初のコメントを投稿しよう!