その者、魔を司る者なり

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「夕ご飯の前に、村の人達にこの事を報告して来ますぅ」 たっぷりと俺達を抱擁してホクホクとしたヒルダは(呼び捨てで構わんらしい)、この一件の報告の為に村に出かけていった。 「母さん、僕もついていくよ」 「ううん、エスペランドはお客様を労ってあげてぇ?」 エスペランドは最後まで渋ったが、結局諭され居残りとなった。 「………トゥマイフレン~アイビ~ロ~」 「カントリーロードですか。また懐かしいものを………」 それでも心配らしく、玄関に座り込んでしまったので、俺も隣に座りヒルダの帰りを待っていた。 「おい、ひめ……リーシェ様がきついだろ。もう少し横にづれろ」 「大丈夫ですよ、スレイ?…ちょっと胸が邪魔だなぁ、て思っただけですから」 どうやら王女達の中ではヒルダは女の師匠として扱われているらしく、こいつらも率先して帰りを待っていた。 「つーか、充分スペースあるじゃねーか。俺はこいつと肉団子状態なんだか」 「……正直あまり好ましい状態とは言い難いですね。ゴスロリ衣装のアリートさんならまだマシなんですけど…」 「残念だったな、これが現実だ」
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