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「ッ!」
「うぁ!」
火の勢いが強い!このままじゃ、あの少女はあっという間にウェルダンになっちまうな。
「イヤぁあああああ!!助け、ゲホッ!誰かァァァ!!」
「くそっ!」
少女の叫びが俺達を焦らせる。
どうする?迂回するルートはない。一か八かで突っ込む?バカか、行き着く前に黒焦げだ。エスペランドも魔法は使えない。そもそもあの瓦礫をどうやってどかす?
考えれば考える程、焦りが思考を侵食していく。
「あ、ああ!火が!火がぁ!嫌ァァァ!!死にたくない!!来ないでェェェ!!!!」
「う、うぉおおおお!!!」
「エスペランド!?よせ!」
炎へと突撃しようとしたエスペランドを転ばせ動きを封じる。
「離せ!今はそれどころじゃないでしょう!」
「バカ野郎!魔力切れのてめぇが突っ込んでも犬死にだろうが!頭冷やせ!!」
「じゃあどうするんですか!このままじゃ…!」
「解ってる!だが俺達じゃ………どうしようもねぇ」
「だったら構いません。先に戻ってください。僕はあの子を助けます!」
「随分と不毛な争いをしているなお前ら」
俺達の会話を遮る声。
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