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「…………」
「しばし待て、瓦礫を退かす」
ほら、観ろよ。さっきの悲鳴は何処へやら、少女はポカーン、とした様子でスレイを眺めてやがるぜ。
「よっ」
「わッ!」
あっという間に救い出される少女。………俺達のあのシリアスな会話は何だったんだ。パワーバランス崩れ過ぎだろ。
「ふーむ。片手だと流石に無理か」
「て、うおい。突っ込んだ意味ねぇじゃねーか。どーすんだ」
うん。だよね。全てが万事上手くいく訳ないよね。いやーこれで戻って来られたら完全に俺達の立つ瀬な----
「ならこうするか」
---飛んだ。少女とはいえ人一人抱えて炎を飛び越しおったよこの女。
「…………え~~~」
もうやだこの騎士。
スタッ、と何事もなかったように俺達の隣に着地するスレイ。
「?どうした?」
「…何でもない。つーか、なんで来てんだよ。王女どうした」
「荷造りが終わったらすぐ此方に行きたいと姫様が申したのでな」
「お前………。俺が何のために…」
「無論私もそう言ったんだが。……マギレア・スペルの事を失念していた」
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