それは焔の中で

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女の人が何度も頭を下げてお礼言ってくれます。 ……照れくさいです…。 「ハァ…、ど、どういたしまして…です…」 「お嬢ちゃん!?」 あれ?何だか目の前が暗く…。ちょっと、頑張り過ぎました…。眠……。 「ありゃりゃ、寝ちゃったみたいだね」 「仕方あるめぇよ。この人数を一気に治療したんだからな」 「あの子でちょうど最後みてぇだな」 「ああ、後は皆軽症で済んでる。---んにしても、かわいい寝顔だな」 「ワシらを救ってくれた天使様じゃからな」 「ゆっくり眠らせてやろうて」 「そうじゃな。寒くねぇよぉ上着でも敷くべ」 雪原に眠る少女の顔には、心の底からの安堵が浮かんでいた。 「おやおや、突然雪原ができたかと思えば『マギレア・スペル』ですか。何故王族がここにいるのか知りませんが、精々利用させて頂きましょうかね」 「どうするんだ」 「王族らしきあの少女以外皆殺しで構いませんよ」 「了解した」 「了解しかねるなぁ、おい」 「「!?」」 …たく、気配がするから見に来てみれば案の定、か。 「……一応伺いましょう。あなた何者ですか?」 「こっちのセリフなんだがな。ま、いいだろう」 こりゃ、本気出さなきゃやべぇかもな。何だよあのバケモノ。 「あの馬鹿の奴隷一号だこの野郎」
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