複雑な日

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大学に入って1ヶ月。 楽しいキャンパスライフを満喫していた。 先生に縛られる事も無く、何より自由がいい♪ でも、問題は1つある。 友達がいない事だ。 私はこう見えて内気でなかなか自分から声を掛けれない人だ。 高校の時は誰とでも別け隔てなく話せる由利恵のおかげで友達ができた。 私は由利恵が居ないと寂しげな人間なのだ。 講義室で授業を聞く。 テーマは『子育て』 いつものようにノートと筆箱、電子辞書を準備した。 「あの~すいません、ペン貸してもらえますか?」 隣の女性が話掛けてきた。 「ペン?いいよ」 筆箱からシャーペンと四色ボールペンと消しゴムを出し渡した。 「おおきに!助かります」 「関西の人?」 「はい。ウチ大阪の堺市から来てん」 「大阪!?私奈良県だよ」 「ほんまに!!でも、そんな感じ無いなぁ」 「そうかな?まぁいいや。私美穂。」 (ナツメミオ) 「夏目美緒。゙ナツミ゙って呼んで♪」 「゙ナツミ゙?」 「夏目のナツと美緒のミでナツミずっとそう呼ばれたから」 「分かったよ。ナツミ」 これが大学で出会った私の初めての友達。
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