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「お、おい、生まれんぞ!!」
ゴールドが慌てたように言う。
卵はだんだん震え、殻にひびが入り。
「……なんだコイツ?」
「えっと……マナフィって言うみたいよ」
「……柔らかい」
生まれてきたのは、体全体が青いポケモン。水タイプなのはわかる。
図鑑を開いて言うクリス、というかなぜ訊いたゴールド。
まぁそんなことはともかく。
「お、コイツすり寄ってくる!!もしかして俺を父ちゃんだと思ってんのか?」
「まぁすり込みで、そうなるわよ。マナフィ…海の王子と呼ばれることもあって、マナフィが指揮をすると海に住むポケモンはそれに従うらしいの」
「へぇ、王子様ねー……はっ、コイツの名前はシルちゃんだな!!」
「なんでそんな名前に、ていうか嫌がらせだな?俺への嫌がらせだな?」
ゴールドが勝手に名付けて、しかもそれを名前だと思いやがったマナフィは、本格的にゴールドに懐き始めるわけで。
もう抱きついてキスまでし始めた。
「オ、オイ…シルちゃん照れるじゃねぇか、いきなりキスなんてよー」
「今すぐその呼び方をやめろ、ぶん殴るぞ」
「待ってシルバー落ち着いて!!」
クリスが止めてなかったら俺はゴールドをぶん殴ってた、だってそれぐらいイライラするんだ。こっちを見ながらニヤニヤしてるし、なぜか。
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