第二話

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「お、おい、生まれんぞ!!」 ゴールドが慌てたように言う。 卵はだんだん震え、殻にひびが入り。 「……なんだコイツ?」 「えっと……マナフィって言うみたいよ」 「……柔らかい」 生まれてきたのは、体全体が青いポケモン。水タイプなのはわかる。 図鑑を開いて言うクリス、というかなぜ訊いたゴールド。 まぁそんなことはともかく。 「お、コイツすり寄ってくる!!もしかして俺を父ちゃんだと思ってんのか?」 「まぁすり込みで、そうなるわよ。マナフィ…海の王子と呼ばれることもあって、マナフィが指揮をすると海に住むポケモンはそれに従うらしいの」 「へぇ、王子様ねー……はっ、コイツの名前はシルちゃんだな!!」 「なんでそんな名前に、ていうか嫌がらせだな?俺への嫌がらせだな?」 ゴールドが勝手に名付けて、しかもそれを名前だと思いやがったマナフィは、本格的にゴールドに懐き始めるわけで。 もう抱きついてキスまでし始めた。 「オ、オイ…シルちゃん照れるじゃねぇか、いきなりキスなんてよー」 「今すぐその呼び方をやめろ、ぶん殴るぞ」 「待ってシルバー落ち着いて!!」 クリスが止めてなかったら俺はゴールドをぶん殴ってた、だってそれぐらいイライラするんだ。こっちを見ながらニヤニヤしてるし、なぜか。
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