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「そうだ!!早くシルちゃんを博士のとこに連れていかないと!!」
ゴールドが思い出したかのように言い、俺の膝の上にいたマナフィを抱き上げる。
マナフィはマナフィで、嬉しそうにキャイキャイしてる。
そりゃ、親じゃない俺よりは(すり込みでなった)親のゴールドの方がいいだろう。
「んじゃクリス、行くぞ」
そしてゴールドがクリスの手首を掴んで、博士の元へ行こうとする。
しかしクリスはその手を振り解いた。
「イヤ!!ゴールドが孵したんだし、アンタが親でしょう?だったらゴールドだけで行けばいいじゃない」
「なっ!?だいたいクリスがシルちゃんの卵を持ってきたんだろ!?だったらクリスも行く義務がある!!」
「そんな義務なんて知らないわよ!!」
二人がまた喧嘩を始める。マナフィはマナフィでオロオロしている。
喧嘩自体そんな物珍しいものではないのだが……。
(……あれ、これ、さっきも見たような気が)
そう思った瞬間、また辺りが眩い光に包まれた。
何かが倒れる音がする。
体の力が抜け、膝から崩れ落ちる。
そういえば二人はどうなったのだろう。あのマナフィは……。
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