29人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
夢を見た。
真っ白な空間で、俺の前にはゴールドとクリスが倒れている。
二人からはなにか白い光みたいなものが出てきて、そして入れ替わるかのように光は中に入っていった。
「……ルバー!!シルバー!!」
俺を呼ぶ声が聞こえる。
目を覚ますと、心配そうな二人。
「よかった…目を覚ましてくれて……」
「どっか痛いってのはないか!?頭痛いとか、腕が痛いとか!?」
「……どこも痛くはない」
心配してくる二人。表情を見れば、いつもと変わらない表情。
口調だって、お互いとも元々の口調。
「……戻った…のか?」
「え…?えぇ、私達もさっき目が覚めてから気がついたんだけどね」
「俺はあんなのごめんだぜ!?あーんな堅物で真面目なの、俺にまず合わねぇしよ!!」
「なっ、真面目なのは良いことだって!!それに私だってあんな不真面目はごめんよ!!」
いつもと変わらない喧嘩に、思わず笑みが零れる。
「戻ってくれって頼んだときに嫌だと言ったのは、二人じゃなかったか?」
「げっ……それはだなぁ……」
「あ……えーっと……」
「……別に責めるつもりはない、たまにはああいうのもいいだろ」
「なんだよー…驚かすんじゃねぇよ……」
「びっくりした……」
やっぱり二人はこのままが一番だって思って、気がついたら二人に抱きついていた。
それは、たまにゴールドがやるような、そしてクリスがやるような、なにか口では表しにくい感情を表すための、俺達の間でやる感情表現。
最初のコメントを投稿しよう!