第二話

11/14

29人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
夢を見た。 真っ白な空間で、俺の前にはゴールドとクリスが倒れている。 二人からはなにか白い光みたいなものが出てきて、そして入れ替わるかのように光は中に入っていった。 「……ルバー!!シルバー!!」 俺を呼ぶ声が聞こえる。 目を覚ますと、心配そうな二人。 「よかった…目を覚ましてくれて……」 「どっか痛いってのはないか!?頭痛いとか、腕が痛いとか!?」 「……どこも痛くはない」 心配してくる二人。表情を見れば、いつもと変わらない表情。 口調だって、お互いとも元々の口調。 「……戻った…のか?」 「え…?えぇ、私達もさっき目が覚めてから気がついたんだけどね」 「俺はあんなのごめんだぜ!?あーんな堅物で真面目なの、俺にまず合わねぇしよ!!」 「なっ、真面目なのは良いことだって!!それに私だってあんな不真面目はごめんよ!!」 いつもと変わらない喧嘩に、思わず笑みが零れる。 「戻ってくれって頼んだときに嫌だと言ったのは、二人じゃなかったか?」 「げっ……それはだなぁ……」 「あ……えーっと……」 「……別に責めるつもりはない、たまにはああいうのもいいだろ」 「なんだよー…驚かすんじゃねぇよ……」 「びっくりした……」 やっぱり二人はこのままが一番だって思って、気がついたら二人に抱きついていた。 それは、たまにゴールドがやるような、そしてクリスがやるような、なにか口では表しにくい感情を表すための、俺達の間でやる感情表現。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加