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「そこで思いついたのが、観客の皆様からお題を頂こうと。
我が劇団員達はとても優秀で、中には台本を書くのに秀でている者もおります。
ですから、お題さえ頂ければ、皆様の望むどんな物語でも、彼らは演じることが出来るのです。
見に来てくださったお客様、どうか我々に、演じるための台本を……」
深々と頭を下げた後、幼さの残る少年は後ろへ下がる。
それと同時に、最初の少年によく似た、真紅の瞳の少年が前へ出て話し始める。
「支配人はあぁ言っておりますが、我々はとても未熟です。
言葉回し、口調、その他おかしいところがあれば、すぐに指摘していただければ幸いです。
しかし、『批評』と『中傷』は全く別物でございます。
中傷と取れる発言は、すぐに通報させていただきますので」
真紅の瞳の少年は妖しく笑うと、先ほどいた位置へと戻っていく。
『それでは皆様、楽しんでいってくださいね』
誰の声かもわからない声が、劇場内でこだまする。
そのときにはもう、三人の少年の姿は見当たらなかった。
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