第三話

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甘い匂いが広がる、ワカバタウンのポケモン屋敷。 甘い匂いと言えばもうすぐバレンタインと言うことで、世間の女の子達は恋する相手へのプレゼント選びで忙しいだろう。 もちろん今回もその類の話ではあるが…まぁ、そこは屋敷の中を見てくれればわかるはずだ。 屋敷の中の、キッチンにいるのは。 「なぁなぁグリーン、ポロック作るこれにチョコ入れたらさ、チョコ味のポロック出来るかな?」 「ちょっ、レッド先輩!!そこはチョコじゃなくってカカオじゃないと駄目ッスよ、なに考えてんスか?」 「なに考えてるんですかって、僕もゴールド先輩に訊きたいです。壊したら弁償してくださいよ?」 そう、図鑑所有者男子メンバー。それぞれが持ち寄った材料や道具で、それぞれが好き勝手にチョコを作っている。 しかしこれは、自分達で食べる用ではない。というか彼らはそんな虚しいことはしないだろう、欲しいと言わなくてもグリーンやレッドなんかは当日に山のように送られてくるのだから。 じゃあ、なぜ作ってるのかというと、これが俗に言う逆チョコで、数日前にレッドが「逆チョコを送ろう!!」といきなり言い出し、図鑑所有者の男子メンバーを呼び出したのだ。 まだバレンタインには一週間はあるのに。
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