第三話

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そしてこちらは年長組。 「はい、グリーンさんっ!! ビターにしたので…お口に合うと思うんですが……」 綺麗なラッピング。黄色の袋を緑のリボンで飾っている。これはデジャヴだろうか。 ちなみにこれの配色選びは我らがブルー姉さんである。 「……ありがとう、イエロー。あとで一緒に食べるか」 「はいっ!!お茶も淹れましょう!!」 「あぁ、悪くないな」 「あーあー砂履きそう」 「あはは……まぁ今日ぐらいはいいんじゃないのか?」 「だってどーせあの二人、後でチョコレートプレイだのなんだのするでしょ?グリーンに送られてくる山積みのチョコレートで。今イチャつかなくたって良いじゃない」 「そこは…本人達の自由で」 明らかにピンクオーラをまといながら話すグリーンとイエローの横で、呆れたような表情のブルーにレッド。 レッドの手には赤い水筒(もちろん保温機能付き)が。 「でもよ、なんでホットチョコレートなんだ?」 「どうせアンタは固形のチョコを沢山貰うでしょ?ならこれの方がいいかな…と思ったのよ。ちなみにそれ原価高いわよー?」 「三倍返しって言いたいんだろ?期待しとけよ、ちゃんと!!」 「もちろんよ。豪華ディナーだけじゃ文句つけるからね?」 「臨むところだっ!!」 こちらもイチャついていると言えばイチャついているのだろう……横に比べたらまだマシだが。 それぞれの思いや気持ちが改めて伝わったバレンタイン。 そう言えば、お互いがお互いに贈り合うとホワイトデーはどうなるのか。 その話はまたいずれお話するとしよう。 これは、バレンタインの一週間から密着した図鑑所有者達の(ある意味での)戦いのお話。
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