《1》

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それから12年… 溺れかけた女の子も、今は17歳。 元気いっぱい、楽しい高校生活を送っている。 ――――――――……… 「優海~、これからカラオケ寄ってかないっ?」 「ごっめーん!今日ムリ! 親遅いから帰んなきゃ!達紀が待ってる。」 私は、顔の前で両手を合わせ、急いで帰り支度をする。 「優海はエライねぇ!」 両親が共働きの為、月の半分以上は帰りが遅い。 まだ小学校低学年の弟…達紀がいるので、そんな時は私が親役。 「だって、夜は好きにできるもーんッ!」 「今日も行くの?」 「当たり前~!じゃねッ。」 私は手を振り、家へと急ぐ。
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