第二章 疑問

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 違和感の正体に気づいたのは、自宅から電車で約一時間程にある会社に着いて、俺のデスクの隣にいる、同僚の樫本に質問した時のことだった。 「なあ、樫本。これは一体何だと思うか。」 パソコンの画面を指している矢印を指差しながら、言った。  すると樫本は、不思議そうな顔をしながら俺の方を見た。 「え?何って…それはパソコンだけど…?」 「いやいや、そこじゃない。これだよ、これ。」 俺はなおも矢印を指さしながら言った。 「それは、液晶だろ。」 「違う!これだよ、これ!」 「パソコンと液晶以外に、一体どんな答えがあるんだよ!」 「えっ?お前、コレが見えないのか?」 俺は、目を丸くした。。 「いや、お前こそ、何が見えてんだよ……」 「え、まさか、コレが見えんのって、俺だけなのか?」
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