漆黒の闇の中で

18/20
前へ
/20ページ
次へ
沖田という人の顔を見れば、赤い手形がついている。 『~~ッ…!!!』 あたしが頬を叩いたのだった。 時が止まったような気がした。いや、むしろ止まって欲しかった。 沖田さんもこっちをみて、ぽかんとしている。 他の2人も同じような感じだ。 『すっ、すみません!』 畳につくまで頭を下げた。 咄嗟の事とはいえ、手をあげるのは良くない。 人斬り集団の新選組と言われる彼らの事だ。 短気な人に違いない。 あたしみたいなのなら、一瞬で何のためらいもなく殺せてしまうんだ。 今あたしの命を左右するのは彼らなのだと今更ながら思った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加