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午後十一時二十八分、御影霊山で二人の剣士が死闘を演じていた。
「ははっ!何だよ何だよ、最初の威勢はどうしたよ!?ようやく狩られる側だって気付いたかぁ!?」
「くそっ……くそっ……聞いてねぇぞ、こんなのはよぉ!」
……訂正しよう、一人の剣士がひたすら逃げているもう一人の剣士を追い回していた。
「理解したかよ、兎やシマウマがライオン様に歯向かおうってのが間違いだったってよぉ!」
「だったら、んな物騒なもんは捨ててから戦えっての!」
右手に青竜刀、左手には拳銃を持つ少年から必死に逃げ回りながら少年は叫ぶ。
追い回されている少年は浦神 紅音(ウラガミ クオン)。追い回しているのは昴 猟矢(スバル リョウヤ)。
「おいおい、こいつは試合なんかじゃねーってこと忘れたのかぁ?殺し合いにルールは要らねぇだろぉ?」
鳴り響く銃声と紅音の足下の地面にめり込む弾丸が、猟矢の武器が玩具ではないことを証明する。
さて、そもそも何故このような状況になっているのか?まずはそちらから説明をしよう。
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