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紀元前三年
イエス･キリストは誕生した。
父ヨセフと母マリアの間に授かった子。
父も母も普通の人間だ。
もちろんその間に生まれたイエスもただの人間である。
そんなイエスが三歳を迎えた頃、兄弟が産まれた。
ヨセフは名をペテロと名付けた。
ペテロが産まれた時代こそ今で言う、西暦一年にあたる。
それから十三年の月日がたち、イエスは十五歳を迎えた。
生まれてから十五年の間にイエスは疑問を抱いた。
なぜこんなにも人間は醜く残酷なんだろうと…
人はあらゆる不正、貪り、好色、盗み、姦淫、嘘、妬み、悪口、殺意、自惚れ、不和、邪念に満ち、親不孝、無情、無慈悲な生き物だった。
もちろん世の中にはこれに当てはまらない者もいた。
またイエスは父、母からの愛情や友人からの優しさも受けて育った。
だからこそ人間の醜くさが浮き彫りになったのだ。
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