57人が本棚に入れています
本棚に追加
………………。
男は全くの無反応でした。
ねえねえ!
あたしの声聞こえてる?
引っ掻いちゃうよ?
あたしは必死に男に話しかけたけど全くこっちを見ないし、ぴくりとも動きません。
―っ!!!!!
それは同時に起こりました。
あたしが男を引っ掻こうとすると下の部屋から、
「っし!上になんかいるぞ!」
と、野太い声が聞こえたと同時に、あたしは男に思いっ切り床に投げ出されていた。
天井から落下しながら見た男の綺麗な顔には、三本の引っ掻き傷が出来ていた。
「なんだあ、ただの野良猫じゃねえか。」
「!すっ、すんまへん。お侍様!」
「まあいい。今度また、壬生狼の話聞きに来るから頼んだ。」
最初のコメントを投稿しよう!