学校につきまして

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「ん…お前誰?見かけない奴だな…」 「?」 俯いて溜め息をはきながら階段を登っていた小夏が顔を上げると、上から話し掛けてきたであろう青年?が下りてくる。 「…どちら様で?」 見たことない青年を怪訝に思いながら、自分に何か用だろうか?と首を傾げた。彼の格好は自分と同じブレザー、青に黒線のネクタイ。 ネクタイは各科ごとにより色が違い、通常(一般人)赤、特進(才能に優れてる人)は青、特別(家柄関係の人)は緑。彼は特進科のようだ。 「赤!?お前…」 美人よりの整った顔で、切れ長の目が特徴的な彼は、小夏を…正確には小夏のつけているネクタイの色を見ると、驚いた声を出す。 「あの、用無いなら行っていいか?わ…俺は急いでるんだが」 固まってしまった彼に小夏は声を掛ける。危うく私と言ってしまうとこだったが、なんとか誤魔化した。 地図を貰ったので迷いはしないが、田舎者丸出し状態であちこちに目を奪われ、少々歩調が遅れ気味だ。…無駄な時間を取っている暇はない。 「あ…わりぃ。俺は龍村誠(タツムラ マコト)…お前の名前は…?」 「…………駒宮夏樹(コマミヤ ナツキ)」 一瞬自分の名前(偽名)をド忘れしてしまった。偽名まで用意して…あの二人はどんだけ私を男にしたいんだ…。…因みに名字の駒宮は母方の姓だ。 「ふーん。夏樹ね…ま、よろしく。じゃ」 「あ、ああ。よろしく…?」 龍村は勢いに流されて返事をした小夏を見て満足げに頷くと、意味深な台詞を言って去っていった。
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