学校につきまして

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「何がしたかったんだ?」 それより今は夏休みでは?何故校舎に生徒がいるんだ?…疑問を抱きながらポツリと呟き、小夏は理事長室へ向かった。 コンコン 「…駒宮夏樹です。入っ…」ガチャ 「なっつリ~ンっ!!」 ガバッ 理事長室に着き、扉を叩きながら声を掛けると、全て言い終わる前に扉が開き、行き成り誰かに抱き着かれた。 「…理事長…いや、秋斗叔父さ…様、御久し振りです」 「やだ~!!本物の夏リンだ~超久し振り~っ!!可愛い可愛い~~!!」 ギューッと抱き締めながら可愛いを連発する理事長で叔父の秋斗は、所謂、親バカならぬ叔父バカだ。こうなるのは大方予想していた。…予想より三割増だが。 「お、叔父様。取り敢えず中に入れてください」 因みに叔父様と呼ばないと後々面倒になる。…その為、小夏は不本意ながら叔父様と呼んでいるしだいだ。 黙っていれば父と瓜二つでダンディーな色男なのだが、兄はヘタレで弟は姪命。キャラ崩壊が酷すぎる兄弟だ。 「で、何で私は突然転校なんですか?知っているんでしょう?叔父様」 「はあ~普段は勿論可愛いけど、変装姿の夏リンも可愛いなぁ~。夏リンは何着ても似合うね♪」 「叔 父 様 ?」 小夏ソファに座り、デスクを挟み向かい合う二人。先程、穣にも同じようなことを言われたが、こっちは何故かイラッとする。 キッと睨むと秋斗はシュンとして目を反らし、耳を掻いた。隠し事をしているときの秋斗の癖だ。
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